大宮―広島戦で見たフェアプレーの素晴らしさ

広島のGK増田選手が大宮FW富山選手と激突して一時記憶喪失となり、ピッチに救急車が入る異例の事態となったのは、5月6日の大宮―広島戦(NACK)でした。思わぬアクシデントにスタジアムは騒然となりましたが、両チームの選手、サポーターが取った行動にサッカーファンから称賛の声が上がっています。

アクシデントが起こったのは後半39分でした。ゴールを狙う富山選手が飛び出したGK増田選手より一瞬早く頭でボールに触わり、勝ち越しゴールです。その際に互いに顔面から激突して両者とも頭部を地面に打ちつけ、しばらくは起き上がれなかったのです。

富山選手は数分後に担架で運び出されたが、増田選手は首の損傷も懸念されたためピッチに横たわったままでした。この時、増田選手を勇気づけようと、広島だけでなくホーム大宮の応援席からも“増田コール”が起こったのです。試合後は雨の降りしきる中、「紳士的に対応してくれた。感謝の気持ちを伝えたかった」とFW佐藤選手が音頭を取り、広島イレブンが大宮サポーターにあいさつしました。増田選手が倒れている間、心配そうにそばを離れなかった大宮FWノヴァコヴィッチ選手は佐藤選手とユニホームを交換し、しっかりと抱き合ったのです。

この光景をスタジアムや中継を通じて見たサッカーファンは、ツイッター上などで「感動した」「人として素晴らしい」「フェアプレーっていいね」と称賛の声をあげました。現地で観戦していたというなでしこジャパンのDF岩清水梓選手もツイッターで「何度か涙を堪えました。スポーツって素晴らしい」とつぶやき、7日に更新したブログでも「スポーツでの感動。これぞスポーツマンシップ!!両選手の一日でも早い復帰を願ってます」と思いをつづりました。

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